修習生日記




法科大学院(ロースクール)合格体験記B

 【No 0007】 [2004年05月14日(金) 10時15分26秒]

関学(せきまなぶ)くんのロースクール体験記(その3)

いよいよロースクールの授業開始…

第1志望は神戸大学にしたものの、合格は難しいと思われたため、第2志望以下を選
ばねばなりません。そこで、第2志望は神戸大学に次いで国際取引科目が充実している
関西学院大学にしました。10月になると現行司法試験の発表がありましたが、やはり
私の番号はありませんでした。12月の下旬になると関西の先陣を切って神戸学院大学
の試験がありました。関学の試験は1月10日で後期試験はありません。既に神戸学院
に合格していましたのでそれほど緊張感を感じることなく受験できました。問題は憲法
・民法・刑法が論述、商法・民事訴訟法・刑事訴訟法が択一式でした。基本的な問題だ
と思いましたが、入学後先生方の話によるとできはそれほどよくなかったそうです。関
学の発表は1月28日にありました。試験結果の概要は既修者定員75名のところ13
1名合格でした(一次選抜は800人中390人ほど合格ではなかったかと思います(
未確認))。関学は択一合格による加点があったこと、日弁連の適性試験結果が参考資
料として出願が認められたこと、語学の成績は古いものでも認められたことから私には
有利な選抜方法でした。そして合格しました。次は本命の神戸大学ですが、一次選抜で
落とされるかもしれないと思っておりましたが、合格しておりました。二次試験は二日
間に渉る七科目の論文試験でした。結果は補欠でしたが、繰り上がりはありませんでし
た。語学等の加点がない上に行政法が付け焼き刃であったという点が敗因だと思います
。そして関学に入学が決まりました。

4月1日
・今日は大学院全体の入学式です。
・入学者は既修者71名、未修69名で合計140名でした。予定されていた定員が既
修者75名、未修50名の合計125名でしたので、未修者は定員オーバーです。来年
の既修者の合格数は減少するのでしょうか。
・英米法の試験がありました(任意受験)。関学は英米法が必修科目になっているので
すが、きょうの試験に合格すると単位の認定がなされます。問題は択一式で10問ほど
。田中英夫先生の「英米法総論」を読んで準備しました。難しくはありませんでした。
・関学のキャンパスはきれいです。建物はスペイン建築様式。法科大学院棟の建設にあ
たっては設立責任者の教授の方々はアメリカの大学キャンパスをいくつも視察してこら
れたそうです。



4月2日
・今日は学部の入学式です。キャンパスは新入生であふれています。
・英米法試験に合格しておりました。何人受験したかは分かりませんが、30人ほどが
合格でした。
・科目別ガイダンスがありました。ソクラテス方式の授業がほとんどで、また、教員の
先生方の熱意が感じられます。
・午後4時から関学会館で懇親会です。
・何人かの方と話したところ、既修者は重複して法科大学院に合格された方が多く、逆
に未修者は少なかったようです。
・未修者特別入試枠のTOEIC最高点は990点だそうです。すごい人がいるものですね。ち
なみに最低点は880点だったそうです。

4月8日
・きょうから授業開始です。
・学期は春秋のセメスター制です。年間最大取得単位数は36単位、つまり、18科目
履修できることになります。ただ、必修科目、準必修科目(履修しなくとも卒業は可能
だが、履修が望ましいもの)が多く、今年は2、3科目しか選択科目がとれません。
・卒業に必要な単位数は98単位で、既修者は28単位が取得済と認定されます(※英
米法の試験に合格しておれば30単位)。
・1時間目はアメリカ法入門(選択)です。履修希望者は私を入れて2人です。先生は
女性のアメリカ人弁護士の方で、テキストは "Introduction to the Law and Legal S
ystem of the United States"という洋書を使用します。一般の書店には置いてありま
せんので、Amazon.co.jpで注文します。講義は基本的に英語ですが、分かりにくければ
日本語でも説明していただけます。毎週20ページ以上進むので予習は大変です。授業
で扱うテーマについて日本語で書かれたものを探して読んでからでないと、英文だけで
理解しようとしても時間がかかりすぎて他の科目の準備に影響してしまいます。
・3時間目は国際取引法(選択)、履修希望者は私一人でした。内容は国際民事訴訟法
です。以前は国際私法の一分野でしたが、最近は独立した学問領域として確立しつつあ
ります。
・4時間目は民事訴訟法演習です。40年近く民事事件を扱ってこられた元裁判官の先
生です。この科目は最高裁民事判例集に掲載されている判例から毎週2件ピックアップ
し、1審から最高裁まで、判決原文(当事者の主張を含む)を十分検討した上で、設問
に答えるというもので、かなり準備が大変です。授業では正確な事実認定の理解をまず
問われますので、教科書と百選を読むだけの簡単な予習では間に合いません。しかし、
法科大学院ならではの授業であり、手を抜かないでしっかりやればかなり実力は付くよ
うに思われます。

4月19日
今週水曜は法文書作成のレポート提出期限です。テーマは「眺望、日当たり良好と説明
を受けてマンションを購入したが、購入後すぐ南側に高層建築物が建設されてしまった
のでお金を返してほしい」という相談を受けた弁護士になったつもりで依頼者に裁判の
見通しを説明するというものです。いまは仲間といろいろ相談しながら検討できますが
、ソロプラクティスの弁護士になってひとりで検討するのは大変だなと思いました。

4月21日
・履修申告修期限です。履修科目が確定します。
・憲法演習、民法演習、刑法演習、商法演習、民事訴訟法演習、行政救済法、法曹倫理
、法条法調査・法文書作成(以上必修)、アメリカ法入門、国際取引法の10科目とな
りました。
・今年は来年以降と異なり、既修者(2年以上)がまだ少ないのでどの選択科目の履修
者もかなり少ないようです。

4月23日
・きょうは夕方から既修者の懇親会でした。一発芸があるとよいです。


法科大学院(ロースクール)合格体験記A

 【No 0006】 [2004年04月06日(火) 10時38分17秒]

 前回に引き続き、関学(せきまなぶ)くんに、志望校絞り込みの経緯を報告してもらいます。 

 適性試験の後は志望校選びです。
適性試験は大学入試に例えると大学入試センター試験に相当し、第1次選抜の資料となります。正式な点数は1ヶ月ほどしてから送られてくるのですが、実施機関から解答が発表されますので直ぐに自己採点ができます。
そして、司法試験予備校が受験者のデータを集計しており、その結果に従って志望校を選ぶことになります。ただ、大学入試の場合ですと、多くの場合、大学入試センター試験の成績だけが第1段階の選抜の資料となります。これに対して、ロースクールの場合は大学の成績、語学のスコア(TOEIC・TOEFL)、取得資格、司法試験短答式(いわゆる択一)合格など、他の要素との総合評価になります。
志望校の選択を迫られる時点(2003年9月ころ)では、授業料が国立は90万円ほど、私立が180万円ほどと発表されており、授業料が大学の学部に比べて高額かつ2倍の格差ということで志願者は学費の低額な国公立志向が顕著でした(この傾向は政府補助金による学費引き下げ、奨学金の拡充等で幾分緩和されたものの、現在もなくなってはいません)。
 私は2004年度の現行司法試験を受験するつもりでしたので、生活の負担を考え、実家から通える兵庫県内のロースクールに志望校を限定しました。
 兵庫県内には神戸大学・関西学院大学・甲南大学・神戸学院大学・姫路獨協大学の5つのロースクールがあります。わたしは学生時代から国際取引に興味を抱いており、卒業論文もウィーン国際動産売買条約でしたので、第1志望は神戸大学にしました。神戸大学はビジネスローヤーの育成を目指しており、国際取引に関連する講座がゼミも含めると6講座もあったからです。また、ロースクールにかける情熱がホームページからも感じられました。
 ただ、神戸大学の選抜要項では、択一の合格は考慮しない、適性試験はDNCのみ採用、語学は英検準1級以上・TOEIC700点以上で加点(ただし過去2年以内のものに限る)するなど、職業法曹にふさわしい取得資格が考慮要素でした。
私の場合、無意味な択一合格、振るわないDNCの成績、10年以上前の英検準1級、国家資格は宅建すら持たないという、私には全く不利な条件でしたので、合格は難しいと思われたのです。             (つづく)





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